あなたはアロマセラピーとかアロマテラピーっと聞いて、どんなことをイメージしますか?
「良い香りを嗅いで、癒されたりリラックスするもの」 なんてイメージの人が多いかもしれませんね。
最近ではいろんなお店で、精油やアロマディフューザーを売っているので、もしかしたら自宅で香りを楽しんでいる人も多いと思います。
でも、そんな人でも、「なんとなく自分の好きな精油を選んで、アロマディフューザーで香りを楽しんでいるけれど、どんな効果があるのかはよく分からない…」なんて人もいるかもしれませんね。
でも、もしそうだとしたら、それってとってももったいないです!
なぜならアロマって香りだけを楽しむものじゃないからです。正しい効果や活用方法を知っていれば、心や体の健康のためにとても役に立ちます。
西洋では古くから心身の健康のために活用され、今でも盛んに研究されています。現在でも世界中の植物が研究されていて、新しい精油が常に増え続けているんです。
そして、何よりも知ってもらいたいのは、アロマセラピーの楽しさです!
自分の状態に合った精油を使えば、それだけで、心身が健全になります。アロマのグッズを自分で作ったり、それを人にプレゼントするのも、とっても楽しいです。
アロマのプロになろうと思ったら、たくさん勉強して資格なども取る必要があります。
でも、アロマの楽しみ方を知るだけなら、ものの数分、つまりこの記事を読むだけで十分です!
日常生活で良い香りがした時に「あ、この香りはフランキンセンスね。私この香り好きなんだ~」なんて言えるようになってもらえたら、私も嬉しいです♪
それでは、アロマセラピーの魅力を紹介していきます。
アロマセラピーって何なの?
まずは基本中の基本、アロマセラピーとはどんなものかを簡単に解説しますね。
実はとっても奥が深いものなんですよ。
アロマセラピーは自然の癒し
アロマセラピーとは芳香とか香りという意味のアロマ(aroma)と療法という意味のセラピー(therapy)という言葉を組み合わせたものです。
日本語に翻訳すると芳香療法と呼びます。
よく聞くアロマテラピー(aromathérapie)という言葉は、フランス語というだけで、意味は全く同じです。
この記事では”アロマセラピー”の方を使っていきますね。
まず、このアロマセラピーの主役と言っても良いものが精油(エッセンシャルオイル)です。
植物の花や葉、種には独特の香りがしますよね?
例えば薔薇(ローズ)の花の香りで幸せな気持ちになったり、ラベンダーの花の香りでリラックスした経験はありませんか?
あるいは、料理の時にニンニクやローズマリー、バジルなどの香りを嗅いで、食欲が出たなんてことなら、誰でも経験したことがあるんじゃないでしょうか?
このように人間は香りによって、心と体に様々な良い影響が出ます。このように人間に良い働きをしてくれる、香りの成分を凝縮したものが精油なんです。
精油は100%植物から抽出した自然の成分です。
だから、人工的で化学的なものが、苦手な人でも使ってもらえるものなんです。
アロマセラピーの歴史
西洋では香りを医療に役立てることは、昔から一般的に行われていました。
人工的に香料を作れるようになったのは、最近のことなので、昔は全て植物から抽出していました。
香料は香りが凝縮されているため、原材料に使う植物が大量に必要です。そのため、香料はとても高価なものだったようです。
高価なものだったので、王族などの身分の高い人や、神様への捧げものに使われていたようです。
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【豆知識】 例えば聖書にナルドの香油という名前でスパイクナードという香料が登場します。聖書にはこの香料300g程度が、当時の年収に近い価値があったと、書いてあります。 300gなんて、小さいペットボトルくらいの量です。もの凄く貴重だったんですね~。私だったら、そんな高価な物は怖くて持ち歩けません!
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そんな香料や精油を使った療法をアロマセラピーと呼ぶようになったのは、結構最近の1930年のことなんです。
フランスの調香師であり香料研究者のルネ=モーリス・ガットフォセという人が、精油を使った療法をアロマテラピーと名付けたのです。
でも、アロマテラピー(芳香療法)と言いつつも、実際には香りだけでなく、薬として飲んだり、肌に塗ったりする方法も含まれていました。
実際にフランスを始めとした、ヨーロッパの国では、アロマテラピーとかアロマセラピーは、精油を使った自然療法というのが一般的なイメージです。
アロマセラピーは歴史がとても古いものなんです。東洋でいう漢方薬のようなものが、アロマセラピーだと思うと、イメージしやすいかもしれませんね。
さて、そんなアロアセラピーに欠かせないものが、植物から抽出した精油です。
次はその精油のことを説明しますね!
精油ってどんなもの?
アロマセラピーの主役の精油って、いったいどんなものなんでしょうか?
香りの正体は何?精油の成分
精油の特徴は、なんといっても香りですよね!良い香りもあれば、結構刺激的なものまで様々です。
この精油の成分は、アルデヒド類、フェノール類、エステル類なんて感じで、11種類に分類されます。
でも、そんな難しい物質名なんて覚えられないしって思う人は多いですよね…。
ポイントはあらゆる精油の成分は、何らかの薬理効果があって、特有の香りのある揮発性のある物質だということです。
そして、それらはみんな植物の細胞の中に作られる物質です。
なぜ、植物がこのような成分を作るのか、諸説色々あります。
例えば虫を引き寄せて、花の受粉をしてもらうためとか、逆に害虫を追い払って、食べられないようにするため、有害な細菌や病気をやっつけるためなど、様々です。
いずれにせよ、何か有益な作用があるからこそ、植物は自分の中に精油の成分を作るわけです。
そしてこの成分を上手に使えば、人間もその恩恵を受けることができるというわけです。
精油ってどこから取れるの?精油の種類と植物の部位の関係
そんな、精油の成分は、植物からどうやって抽出するんでしょうか?
一言で精油と言っても、種類によって、植物のどの部分から抽出するのか違うんですよ。
精油に使われる部分は、主に次の7つです。
- 柑橘類の皮
- 花
- 葉
- 花と葉
- 実や種
- 木
- 樹脂
オレンジやグレープフルーツ、ベルガモットなどの果実の皮の部分です。共通しているのは、消化器の調子を整える作用があることです。また、とても良い香りがするため、柑橘類の精油はどれも人気があります。
イランイランやカモミール、ジャスミン、ローズなどの花の部分です。植物にとって、花は生殖器といえるものなので、ホルモンのバランスや生殖器の働きを整える働きがあります。
ティーツリーやユーカリ、レモングラスなどの葉の部分です。葉は虫や病気に狙われやすい場所です。そのため、強い殺菌作用や免疫力を上げる働きがあり、どれもシャープな香りがするのが特徴です。
ゼラニウムやペパーミント、ラベンダー、ローズマリーなどの花と葉の部分です。花と葉から抽出するタイプの精油は、その作用も様々なので、全体的に使い勝手が良いです。
ジュニパーやブラックペッパー、カルダモンなどの実や種です。実や種は土に植えれば、やがて芽を出す命の塊です。そのため、内臓のような命を支える場所の調子を整える作用があります。
サンダルウッドやシダーウッド、ローズウッドの木の幹の部分です。幹は木、全体を支える安定した部分です。そのため、心を落ち着かせたり、安心させる作用があります。
フランキンセンスやミルラなどの木に傷を付けたときに、にじみ出る樹脂です。元々は木の傷を治すものなので、ジュクジュクした皮膚の傷に効果があります。(だからと言って直接塗ったりしちゃダメですよ!)
精油は良い香りがするものなので、すべて花から抽出してると思っていた人も多いかもしれませんね。でも、この通り、植物の色んな場所から抽出してるんです。
面白いのは、植物の部分を人間の体に置き換えてみると、その対応した部分に、良い働きをすることですね。
では、この様々な植物の場所から、どうやって成分を抽出しているんでしょうか?
今度は精油の抽出方法を紹介します!
成分はどうやって抽出するの?精油の製法の種類
植物から精油の成分を抽出する方法も様々です。
全部を細かく解説しても、眠くなっちゃうと思うので、ここでは代表的な4つの方法を簡単に説明しますね!
- 水蒸気蒸留法
- 冷浸法
- 有機溶剤法
- 圧搾法
多くの種類の精油は、この水蒸気蒸留法で抽出されます。巨大な蒸し器のような釜に原料となる植物を入れ、底に水を入れて火にかけます。
水が沸騰すると、釜の中の温度と圧力が上がり、植物の細胞が壊れて、精油の成分が蒸気の中に放出されます。
そして、その蒸気を冷やして液体にすると、精油成分と水が分離するので、上澄みの油の部分だけを採取します。
ただし、芳香成分の中には重い物質もあります。このような重い物質は上手に分離せず水の中に残ってしまうため、全ての成分を抽出できないという、欠点があります。
ローズやジャスミンのような花から、精油成分を抽出する方法です。
現代ではこの方法で抽出している精油は、とても貴重です。
牛脂や豚脂を塗ったガラス板を花びらの上に被せ、数日間かけて精油成分を脂に移します。これを脂に精油成分が移らなくなるまで(ジャスミンなら3週間くらい)繰り返します。
あとは、その脂を精製して、精油にします。
水蒸気蒸留法よりも抽出できる成分の種類が多いため、より花の時の香りに近い良質な精油にできます。
フランキンセンスやミルラのような樹脂から、精油成分を抽出するときに使われる方法です。
ヘキサンや、石油が原料のベンゼンなどの有機溶剤に精油成分を溶かし出して抽出する方法です。精油成分が溶け出した有機溶剤を精製することで、精油にします。
有機溶剤は人工的な物質なので、精油の中に僅かに残ったとしても、アレルギー反応を起こしてしまう人もいます。ナチュラルなものを好む人は、注意してくださいね。
柑橘類の皮から精油成分を抽出するときに使われる方法です。
この抽出方法は、ただシンプルに皮を押し潰して、汁を絞り出すだけです。絞り出した汁をしばらく置いておくと、精油成分と果汁が分離するので、上澄みの油の部分だけを採取します。
「冷浸法!?」「有機溶剤法!?」…なんだか難しい言葉がたくさん出てきてしまいましたね…。でも、製法は精油を選ぶ時のポイントにもなるので、大切な知識なんです。
人工的な物を完全に避けたい場合は、抽出方法が有機溶剤法とか溶剤抽出法なんて書いてあったら要注意と覚えておいてください。
と言っても、多くの精油は水蒸気蒸留法で抽出されるので、植物の成分が凝縮されたナチュラルな物なので安心してくださいね!
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【精油の工場は幸せいっぱい!】 私は北海道の富良野にあるファーム富田で、水蒸気蒸留法でラベンダーの精油を作っている現場を見学することができました。 抽出中はあたりにラベンダーの香りが充満してて、そこにいるだけで、幸せな気持ちになりました! 実際に精油作りを仕事にしている人は、ずっと健康に生活できるのかもしれませんね。
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さて、このようにして抽出した精油には、どのような効能があるんでしょうか?
次は代表的な精油の働きを紹介しちゃいます!
種類によってこんなに違う!代表的な精油の効能
精油の種類は、作ろうと思えば植物の数と同じだけ存在します。しかし、いかに自然由来の物と言っても、中には毒性のある危険な植物だって存在しますよね?
そのため、何でもかんでも精油にするようなことはせず、その効能を研究して、人間にとって有益な物だけが、使われているんです。
そんな精油の中から、よく使われている代表的な精油とその効能を紹介しますね!
種類 | 効能 | 備考 |
---|---|---|
オレンジ | 健胃作用や食欲増進など、消化器系を整える働き。 | 日本人はこの香りを好む人が多い |
グレープフルーツ | リンパの巡りを良くしてむくみを解消する。肝臓の機能を活発にする。 | |
ゼラニウム | ホルモンバランスを整える。循環器系の機能を活発にする。心を高揚させ、やる気を起こさせる。 | |
ティーツリー | ウィルスの活動を抑える。殺菌、消毒作用。 | |
ペパーミント | 風邪、鼻づまり、気管支炎などの呼吸器のトラブルの改善。吐き気や下痢、乗り物酔いの改善。イライラした気持ちを落ち着ける。 | |
ベルガモット | ウィルスの活動を抑える。殺菌、消毒作用。明るい気持ちにさせ、不安や緊張を和らげます。 | |
ラベンダー | 高血圧、頻脈など循環器系の働きを整える。怒りや心の疲れを抑えて、穏やかな気持ちにする。 | 最も使いやすい、初心者向けの精油 |
ローズ | ホルモンバランスを整える。毛細血管をしなやかにして、肌の調子を整える。悲しみや嫉妬などをやわらげ、情緒を落ち着かせる。 | 女性の体の機能を整える働きが強い、女性のための精油。最も高価な精油のうちの一つ。2万円以上するものも |
どうでしょう?種類が変われば、こんなにも効能が違うんですね。
色んな効能があって、混乱してしまうかもしれません。でも、そんな時にはシンプルに自分好みの香りの精油を選ぶのが、ポイントです。
自分にとって、あまり良い香りと感じない精油は、効果が低いこともしばしばなんです。あまり難しく考え過ぎず、自分の感覚で選んでみるのも良いですよ!
さて、精油のことは色々分かりましたね。では、これらの精油の恩恵を受けるには、どうすれば良いんでしょうか?
アロマセラピーというと、アロマディフューザーを使って、香りを楽しむイメージが強いですよね?
でも、香り以外にも精油には、色々な使い方があるんです!
次はその使い方のほんの一部を紹介しますね。
香りだけじゃない!精油の使い方
アロマセラピーと言っても、実は色んなやり方があるんです。
精油には、肌や内臓に対して効果があるものもたくさんあります。そういった精油の場合は、香りだけでは十分な効果が得られないんです。
例えばこのような方法も、アロマセラピーの一部なんですよ。
- 吸入
- 湿布
- 部分浴
- 全身浴
- 消臭や掃除
精油を鼻や口から効率よく吸い込む方法です。ハンカチやティッシュに精油を2滴~3滴垂らして、顔の近くに置いて呼吸するのが、最も手軽な方法です。他には洗面器に半分くらいの熱いお湯を入れて、そこに精油を垂らして、蒸気と一緒に吸い込む方法があります。
冬場なんかは、ティーツリーの精油を一滴垂らしたマスクをしていくと、感染症の予防になります。ティーツリーの香り自体もシャープなんで、気持ちもシャッキっとします。
熱いお湯に精油を垂らして、それにタオルを浸して絞ります。そのタオルを凝りや痛みのある場所に当てます。肌から精油成分も浸透し、温めることで血行も良くなるため、効率よく精油成分が全身を巡ります。
また、逆に捻挫や打撲の時には、消炎鎮痛作用のある精油を冷水に垂らして、それにタオルを浸して絞ります。あとは同じようにそのタオルを患部に当てます。
体の特定の部分に苦痛があるときに、有効な方法です。
洗面器に37℃~42℃程度のお湯を入れて、そこに精油を2滴~3滴垂らします。あとはそこに手や足(手浴・足浴)を入れて温めます。
個人的に好きなのは、足浴です♪テレビを見ながら足浴するのは、私の至福の時間です!
精油を数滴入れた湯船に入浴する方法です。
ただし、そのまま精油を垂らしても、お湯と混ざりにくいので、はちみつに精油を混ぜたものや、精油を入れたバスソルトを湯船に入れると効果的です。
お風呂場の中が、幸せな香りに包まれますよ!
精油の中には、殺菌・消臭作用があるものもあります。そのような精油を垂らしたティッシュを靴の中に入れておけば、嫌な臭いが取れて良い香りになります。
他にも精油を垂らした水に布巾を浸して絞り、それでキッチンや家具を拭くのもおすすめです。殺菌消毒効果かある精油であれば、感染症や食中毒を防ぐこともできます。
もちろん、拭いた後は良い香りがするので、気分も良くなりますね!
このように、アロマセラピーは、色んなやり方があるんです。(この中でも手軽に楽しめる方法の手順を、記事の後半で紹介しています)
本場フランスでは、カプセルに精油を入れて飲んだりします。これもちゃんとした医療行為として行われているんです。びっくりですよね。
ただし、もちろん医療行為なので、ちゃんとした資格を持った医者じゃないとできないことです。素人は絶対にマネしないでくださいね。
さて、ここまでで、アロマセラピーの基本的なことは、大体分かっていただけたのではないかと思います。そうなると、今度は実際にやってみたくなりませんか?
そこで、次からは初心者でも楽しめるアロマセラピーのやり方を紹介しますね!
おすすめの精油と選び方
まず何と言っても、アロマセラピーには精油が必要ですね。
でも、精油の効果は、様々です。特定の症状にだけ効果があるようなものだと、なかなか使い勝手が良くありません。
最初のうちは、様々な効能があるものや、頻繁に使う精油を選ぶことがコツです。
まずは、そんな初心者にオススメの精油から紹介します。
初心者はこれを使おう!おすすめの精油
アロマセラピーをやった事がない人や、どの精油が良いのか分からない人には、次の3つの精油がおすすめです♪
- オレンジ
- ティーツリー
- ラベンダー
それぞれをお勧めする理由や、特徴を説明しますね!
オレンジ
この香りが嫌いな人はいないと言っても良いほど、人気が高い精油です。特に日本人はみかんをよく食べるせいか、この香りを好む人が多いようです。
気持ちを明るくさせる効果があるので、日常的に使いやすいのも良い点です。
気持ちがパッとしない時に、アロマディフューザーでこの香りを拡散させると良いですよ!
ティーツリー
ティーツリーは、抗ウィルス、殺菌消毒効果が高い精油です。
シャープで刺激が強い香りなので、苦手な人もいます。
しかし、この殺菌消毒効果こそが、使い勝手の良さなんです!
マスクに1滴垂らしておけば、感染症予防になります。うがいの時にも、ティーツリーを1滴~2滴垂らした水でうがいをすれば、同じく感染症予防になります。
キッチンやドアノブなども、ティーツリーの精油入りの水で絞った布巾で掃除をすれば、食中毒や感染症の予防になります。
精油は自然のものなので、市販の消毒薬を使うのに抵抗がある人には、特にオススメですよ!
ラベンダー
とにかく色んな用途に使える便利な精油です。
部分的にであれば、原液を塗っても大丈夫だったりするので、いつも持ち歩いて、何かあった時にすぐに使えます。
例えば、擦り傷や打撲、虫刺されができた時に、1滴垂らして塗ると良いです。咽がヒリヒリした時には、咽に垂らし、頭痛がしてきた時にはこめかみに塗り、歯が痛い時には、頬や歯茎に塗るといった感じです。
また、ラベンダーには、気持ちを落ち着けるリラックス効果があります。大切な打ち合わせの前とか、試験の時とか、気持ちを落ち着けるのにも便利です。
香りもとても良いので、どの精油にするかを迷ったら、とりあえずラベンダーを選ぶと間違いなしです!
さて、自分の好みの精油が決まったら、いよいよ買いたいですよね。でも、精油のメーカーや産地、製法など、同じ種類の精油でも、たくさんあってどれを選んだら良いか迷いませんか?
そこで、次は選び方のポイントを紹介します。
同じ精油でもこんなに違う!選び方のポイント
同じ植物が原料の精油でも、色んなブランドが存在します。値段だって、大きな幅があります。
「いったい、どれを選んだら良いの!?」って迷っちゃった時には、この2つを気にしてみてください。
- 成分表が公開されていること
- 抽出方法に注目する
品質に責任と自信が持てるメーカーは、精油の成分の内訳をちゃんと公開しています。そのメーカーのWebサイトなどで成分表示が存在するものを選びましょう。
精油の品質や値段は抽出方法によっても変わってきます。例えばローズやジャスミンの場合、ローズ・アブソリュートとかローズ・オットーなんて名前になっていることがあります。
○○アブソリュートという名前の場合は、有機溶剤法で抽出されていることが多いです。そして、○○オットーという名前の場合は、水蒸気蒸留法で抽出されていることが多いです。また、商品説明の中には、”抽出方法”という項目が必ずあるので、チェックしてみてくださいね。
↑左が圧搾法で抽出したベルガモット、右が水蒸気蒸留法で抽出したローズマリー
ちなみにお値段は○○アブソリュートよりも○○オットーの方が高いです。
有機溶剤法は工業的に一気に抽出できるため、コストが抑えられるからなんですね。でも、抽出に使った有機溶剤は、僅かではあるんですが、どうしても精油の中に残ってしまいます。
この方法で抽出した精油は、完全ナチュラルではなくなっていることには、注意してくださいね。
さて、自分の好きな精油が手に入ったら、いよいよアロマセラピーを楽しみましょう♪
次は効果が実感できる、アロマセラピーのやり方を紹介しますね。
正しい方法で効果倍増!アロマセラピーのやり方
いくら精油が自然の物だからといっても、扱いには気を付ける必要があります。
何しろ精油は、植物の成分が凝縮されているので、そのままでは濃すぎるのです。どんなものでも、やり過ぎ取り過ぎは、体に毒ですよね。
アロマセラピーは日常生活で手軽に楽しめるものですが、それでも、正しい手順を守ることがとっても大切なんです。
そこで、アロマセラピーの中から手軽にできる次の3つのやり方を紹介します。
- 芳香浴
- 吸入
- 部分浴(手浴・足浴)
どれもとりあえず精油があれば、すぐにできちゃいます。もし、既に精油を持っていたら、是非、試してみてください。
芳香浴のやり方
芳香浴とは、アロマディフューザーやアロマランプ、加湿器などを使って、精油の香りを拡散させるやり方です。
最も一般的な方法ですね。
理想的なのは、精油を常温のままで拡散させることです。その方が、精油の芳香成分が変質しないので、本来の効果がきちんと期待できます。
そのためにおすすめなのが、やはりアロマディフューザーを使うやり方です。手順を説明しますね!
- ディフューザーに水を入れる
- 精油を2滴~3滴垂らす(水の量に合わせます)
- スイッチを入れる
とっても簡単ですよね!
注意点は精油を入れ過ぎないことだけです。物足りないからといって、これ以上の量を入れないようにしてくださいね。
体に溜まった精油の成分が、無理なく代謝されるのは、1日に最大6滴までとされています。
同じ日に、他の用途で精油を使うことも考慮に入れると、これくらいの量がちょうど良いです♪
また、加湿器を使う場合は、機種によっては精油を入れると故障の原因になるものもあります。説明書に精油を入れても良いと書いてあるものだけにしましょう。
ちなみに精油の芳香成分が拡散すれば良いので、ディフューザーを持ってない方は次のようにしてみてくださいね。
ティッシュやハンカチに精油を2滴~3滴垂らして、エアコンの吹き出し口に挟み込んでおきます。
吸入のやり方
より効率的に精油の芳香成分を体内に取り入れるには、吸入がおすすめです。
最も手軽なのは、精油を2滴~3滴垂らしたティッシュかハンカチを顔の近くに置いて、芳香成分を集中的に吸い込む方法です。
でも、喉の痛みや鼻づまりなど、呼吸器の調子を改善したい時は、お湯に精油を垂らして、蒸気とともに吸い込むのが効果的ですね。普通は洗面器に入れたお湯に精油を垂らすんですが、マグカップを使った方がより手軽なんです。
そこで、ここではマグカップを使う手順を説明しますね!
【やり方】
- 直径が大きめのマグカップにお湯を入れる
- 精油を1滴垂らす
- 湯気を吸い込む
- 数分~10分程度を目安に気持ちいいと感じられる時間だけ続ける
鼻づまりの解消には、ペパーミント、ローズマリー、フランキンセンス、サイプレスがおすすめです。
感染症予防のためには、ティーツリー、ユーカリ、ローズマリー、サイプレス、シダーウッドがおすすめです。
手浴・足浴のやり方
手や足には元々、反射区といって、ある部分を刺激すると、内臓の働きが良くなります。リフレクソロジーでは、足の裏を刺激したりするので、皆さんご存知ですよね!
そのため、手や足を精油入りのお湯に漬けると、とっても効果的なんです。
精油成分を、お湯から上る湯気と、皮膚からの浸透で、効率よく取り込むことができます。
やり方も、とっても簡単です。
【やり方】
- 洗面器に半分程度のお湯を入れる(温度は37℃~42℃)
- 精油を2滴~3滴垂らす
- 軽くお湯を混ぜながら、手か足を漬けておく(最低5分)
疲れた日にやってみてください、とっても気持ち良いですよ♪
精油の成分が皮膚から浸透するだけでなく、湯気に乗った精油の芳香成分を吸い込むことができて、心にも良い効果があります。
このように手軽に楽しめるアロマセラピーですが、自然の物だからといって油断していると、思わぬ害が出ることだってあります。
安全に楽しむためには、頭に入れておくべき注意点があります。今度は、その注意点を説明します。
ご注意!アロマは正しく活用しましょう
精油は植物の成分を凝縮させた、とても濃度が高いものです。そのため、使い過ぎるとかえって体に害があるものなんです。
そこで、アロマセラピーを楽しむ時の注意点を見ていきましょう。
精油の正しい使い方
精油を使う時には、守るべきポイントがあります。
それは次の3つです。
- 原液を肌に付けない
- そのまま飲まない
- 目に入れない
植物性の物だからといって油断していると、思わぬことになりかねません。
なぜ、NGなのか、それぞれを簡単に説明します。
原液を肌に付けない
精油は植物の成分が凝縮されているため、そのまま使うには刺激が強すぎます。
そのため、原液をそのまま肌に付けるのは、基本的にNGです。
アロマトリートメントなどでは、オイルを肌に塗りますが、これはトリートメントオイルといって、精油をホホバオイルなどの肌に優しい油で薄めて使っています。
もし、精油の原液が誤って肌についてしまったときは、奇麗な水で洗い流してください。
そのまま飲まない
精油をそのまま飲むのもNGです。ドレッシングのようにして、他の食品と一緒に取るのもダメです!
精油の種類によっては、1滴を作るために、数百グラムもの原料が必要な場合があります。つまり、たった1滴飲んだだけでも、その植物を数百グラム食べたのと同じくらいの成分を体の中に入れてしまっているということです。
いっぺんにそんなに取ったら、体に悪そうなことは、想像がつきますよね?
原液を飲むようなことは絶対にしないでくださいね!
目に入れない
精油は非常に濃くて刺激が強いので、当然、目に入れるのも、危険なので絶対に止めてください。他にも粘膜の部分などに、直接塗るのも止めましょう。
もし、誤って目に入ってしまった場合は、擦ったりせず、すぐに大量の水で洗い流してください。
これは、どんな種類の精油でも同じです。1滴だけであっても、直接体に触れるのは良くないので、十分注意してくださいね!
一日に使う量を守る
アロマセラピーでは、一日に使う精油の上限を守ることも重要です。
精油の成分は、体内に入った後は、肝臓で分解され、腎臓から尿として排泄されます。
この一連の代謝が、肝臓や腎臓に負担なくスムーズに行われるための上限は、1日に6滴までです。1滴は約0.05mlなので、1日の上限は0.3mlということになります。
体に良いとされているものでも、取り過ぎれば体に害があります。そして、これは精油でも同じです。
精油は使えば使うほど、体に良いとわけではないので、この上限の量を守ってくださいね♪
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【精油は1滴単位で使う】 精油を使う時は、滴単位で表現します。それだけ、成分が凝縮されているということなんですね。 そのため、1滴で良いところが、間違って2滴、3滴になってしまうだけで、大きな違いがでます。 “そんなに違わないだろう”だなんて考えず、慎重に使ってくださいね。
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品質保持期限切れの精油は使っても良いの?
実は精油には品質保持期限というものがあります。
食べ物でいう賞味期限のようなものですね。
でも、品質保持期限が切れた精油でも、実際には良い香りがしていて、使っても大丈夫そうに思えます。思わず使ってしまいたくなりますが、これはやめておきましょう。
油は時間と共に酸化していきます。そして、この酸化した油を取るのは、体にとって良くありません。場合によっては発がん性もある、有害な物質なのです。
精油も同じように酸化します。
そのような有害な物質を吸い込んだり、肌に塗ったりするのは、当然良くないですよね?
もったいないと感じますが、品質保持期限が切れた精油は、処分してしまいましょう。
というわけで、ここまではアロマの基本的な知識をお伝えしてきました。
ここまで理解すれば、もう十分にアロマセラピーを楽しむことができます♪でも、実はまだまだ意外な楽しみ方があるんですよ!
もっと、アロマセラピーの魅力を知ってもらいたいと思うので、今度はその意外な楽しみ方を紹介しますね。
アロマの意外な楽しみ方!
アロマには、日常生活で使う物を自分で作る楽しみ方があります。これをクラフトなんて呼びます。
石鹸やボディシャンプー、ハンドクリームなどのボディケアに使う物から、化粧品まで様々な物を作れるんです。自分で、自分好みの物を作れるのが、クラフトの魅力です。
いつも市販品を買って使う代わりに、自分で作ったものを使うのって楽しいんですよ!
ここでは、そのうちのほんの一部を紹介します。必要な道具は、後でまとめて紹介するので、まずは作り方を見て、自分の好みの物を見つけてくださいね!
ルームスプレー
カーテンやテーブルクロス、クッションなどに吹き付けて、香りを楽しみます。
お部屋の空間にシュッとやっても、リフレッシュできるんですが、お部屋の小物に付けると、香りが持続するのでおすすめです。
【準備するもの】
- 無水エタノール:18ml
- 精製水(または市販のミネラルウォーター):12ml
- お好みの精油
- スプレー容器(30ml入り)
【作り方】
- スプレー容器に無水エタノール18mlを入れます。
- 精油を10滴前後加えます。
- スプレー容器を振って、よく混ぜます。
- スプレー容器に精製水12mlを追加して軽く振ります。
初めての人は、オレンジやラベンダーの精油で作るのがおすすめです!香りも良くて、リラックス効果もあるので、ルームスプレーに最適ですよ!
精油の種類や量を変えれば、違う目的のスプレーを作ることができます。
虫除けスプレーなんかも作れるので、とても便利です♪
トリートメントオイル
お肌に塗るためのオイルです。
全身どこにでも塗ることができるので、お風呂上りに使うと効果的です。保湿やお肌の調子を整える効果があります。
【準備するもの】
- スイートアーモンドオイル:50ml
- お好みの精油
- 保存用のビン
【作り方】
- ビンにスイートアーモンドオイル50mlを入れます。
- 続いてそこに精油を10滴前後加えます。
- ビンを振って、よく混ぜます。
お肌が弱めの人やアレルギーが心配な人は、スイートアーモンドオイルではなく、ホホバオイルがおすすめです。
トリートメントオイルも、まずはオレンジやラベンダーで作ってみると良いですね♪
バスソルト
お風呂の入浴剤として使います。
自分が好きな香りの精油で作るのがおすすめです。お風呂中に良い香りが広がりますよ!
【準備するもの】(2回分)
- 天然塩:100g
- お好みの精油
- チャック付きビニール袋
【作り方】
- ビニール袋に食塩100gを入れます。
- 続いてそこに精油を10滴前後加えます。(最大12滴)
- ビニール袋の上から、手でよく混ぜます。
敏感肌や乾燥肌の方は、はちみつに精油を混ぜても良いです。
それから、精油の滴数も少なめから調整して下さいね。
お湯に入れると芳香成分の揮発が早いので、最初からたくさん入れずに、香りが弱くなったら、少しず
つ追加していくと良いですよ!
すぐに効果が実感できる!初心者におすすめの精油とアロマグッズ
ここまでアロマのことが分かれば、アロマを楽しむための基本的な知識は十分です!
あとは実際にアロマセラピーを楽しむのに必要な、精油やグッズが必要ですね。
そこで、最後に初心者におすすめの扱いやすい精油や、グッズを紹介します。
初心者向けとはいっても、少し高いなと感じる物もあると思います。そんな場合は、まずは精油だけ買ってみてください。
既に紹介した通り、精油さえあれば、他に特別な道具が無くても、十分楽しむことができますよ!
おすすめの精油3つ
まずはアロマセラピーに欠かせない精油からです。
初心者におすすめなのは、既に紹介した通り、オレンジ、ティーツリー、ラベンダーです。
これらの精油のおすすめを紹介しますね!
生活の木 アロマオイル エッセンシャルオイル 人気3本セット
生活の木 アロマオイル エッセンシャルオイル 人気3本セット (ラベンダー フランス産 ・ティートゥリー・オレンジスイート 各3ml)
価格:1,944円
【おすすめの理由】
生活の木は3mlという少量から販売しているので、お試しで気軽に購入できます。しかも、セットなので割安です。
精油には好みや、体質との相性もあります。合わなかった時のことを考えると、初心者の場合は、とりあえず少量の商品を買うのがおすすめです。
アロマセラピーを気軽に楽しみたい人や、とりあえず試してみたい人におすすめです。
プラナロム エッセンシャルオイル
プラナロム エッセンシャルオイル オレンジ・スイート 10ml
価格:2,484円
価格:3,132円
プラナロム エッセンシャルオイル ラベンダー・スーパー 10ml
価格:2,484円
【おすすめの理由】
プラナロムは本場フランスで、最もポピュラーな精油のブランドです。品質には定評があり、フランスではメディカルアロマでも使われるくらいです。
フランスで人気ですが、本当はベルギーの会社です。
おすすめの理由は、何と言っても香りが良いことです。プラナロムの精油の香りは、多くの人から評価されています。
ただ、プラナロムは10mlからしか販売していない上に、比較的お値段が高いです。最初は生活の木などで少量買って試してみて、気に入ったらプラナロムにすると良いですよ!
アロマセラピーに欠かせないグッズ
精油の次は、アロマセラピーを楽しむためのグッズを紹介します。
どれもよく使うので、揃えておくと便利です♪
アロマディフューザー
価格:4,399円
【おすすめの理由】
精油の芳香成分は、熱を加えると変質していまうため、常温のままで拡散させるのが理想的です。
こちらの無印良品のアロマディフューザーは、超音波で霧状にして拡散させてくれます。色んなディフューザーの中でも、定評のある商品なので、選んで間違いは無いです。
少々高めなんですが、ディフューザーは最もよく使う道具ですし、中途半端な物を買うよりは、最初からこちらを買うのがおすすめです。
容器
Farlong 4本セット美容ボトル スプレーボトル 3色おしゃれ PETボトル 30ml (ブルー)
価格:350円
遮光瓶 50ml 5本セット ガラス製 アロマオイル エッセンシャルオイル 保存用 青色 ブルー
価格:1,550円
【おすすめの理由】
精油は光に当たると変質してしまいます。そのため、遮光性のある容器に入れるのが理想です。
ルームスプレーやトリートメントオイルも、光が当たると、当然劣化してしまいます。長持ちさせるためには、このような容器を持っていると便利ですよ!
もちろん、普通の容器でも構わないのですが、その場合は光が当たらないように、管理してくださいね。
無水エタノール
価格:1,152円
【おすすめの理由】
アロマスプレーを作っていると、無水エタノールはすぐになくなってしまいます。
500mlなんて多すぎると思うかもしれませんが、意外に減りが早いですし、もし余っても、時間が経って劣化するようなものではありません。
100mlの商品とほとんど値段も変わらないので、どうせならこっちを買っておくのがおすすめです。
植物オイル
価格:1,618円
【おすすめの理由】
アーモンドオイルにも色んな商品がありますが、お値段も安いものから高いものまで、様々です。しかし、肌に付けるもののために使うので、信頼性のあるものが望ましいです。
生活の木はトリートメントオイルなどに使う前提の商品なので、安心して使うことができておすすめです。
まとめ
いかがでしたか?
アロマセラピーというと、アロマポットで精油を焚いて、香りを楽しむおしゃれなものといったイメージだったかもしれませんね。
でも、本当は心身の健康のために、とっても有益なものなんです。楽しみながら心も体も健康的な生活ができるようになるのが、アロマの魅力です。
現代の生活は、忙しくて何かとストレスも多い世の中です。そんな毎日を、アロマの力で、少しでも過ごしやすくしてもらいたいと思います。
この記事を読んでくださったことをきっかけに、アロマセラピーを実践していただければ幸いです。
そして、アロマセラピーによってあなたの生活がより豊かになることを願っています♪
ピエス・ヴェールでは、今後もアロマセラピーの魅力を楽しく発信していきます。この記事を気に入ってくださった方は、良ければブックマークしておいてくださいね!
それではまた!